人形処わかぞの 石川潤平・力石甲人特約店

ひな人形の技 ~ 当衣裳着ひな人形の特徴

職人紹介イメージ

デッサンに基づく三角形の造形と製作行程

冠から袖までを含めた造形が三角形に収まるようにデッサンし、それを粘土で立体にします。 顔・手・胴体を人形のデザインに合わせ、それぞれを人形の材料で再現します。 それらを元通りに組み合わせる事で、デッサン通りの理想の形のひな人形に仕上げます。 この製作行程は磊楽人形工房専属職人により製作されています。

なぜ、三角形なのか?

あらゆる芸術作品は三角形/丸/四角に収まる形が最も安定感を与え、理想とされています。 例えば、エジプトのピラミッドは4~5千年経った現在でも、私達を魅了し続けており、 自然界では、日本の富士山は世界に類をみない造形とされています。

デッサンに基づく三角系

デッサンに基づく三角系


・左右対称で安定感があり自然体です

・縦線と横線が中心に決まっています

・腕と手にも動きと表情があります


式正冠(しきせいかん)

※平安期~江戸期に使用されていた冠を参考にしております。

当作品の冠は、まげに櫛(コウガイ)をさして固定するため、頭の大きさと冠の大きさ、 冠の形とまげの位置、櫛をさす穴とまげの位置などがぴったりと合っている事が必要で、 頭師、結髪師、冠の作者が三位一体とならなければ完成しない究極の冠です。冠を結ぶ 紐がない為、お頭まわりがすっきりと見えます。また、見せ場である胸元の衣裳に大きな 結び房が垂れないので、全体の造形の邪魔をしません。

一般的な冠

一般的な冠

正式冠

正式冠


手(体の大きさなど全体のバランスに基づいた手)

より人間らしくなるように、手の大きさも顔の大きさと全体造形のバランスにあわせて、 制作しています。手のふくらみ、手のしわ、爪の部分の細部にまでこだわっているのが 特徴です。

一般的な手

一般的な手

デッサンに基づいた手

デッサンに基づいた手


顔(妥協を許さない職人仕上げのお顔)

1.切り出し

〇 切り出し(彫刻刀)で目鼻口の輪郭を鮮明にし、はっきりとした表所を気表現します。
〇 目鼻口の輪郭を切り出すことで、上塗り工程で表情がぼけないようにします。

2.上塗り

〇 薄い胡粉を3~4回塗り重ねる事で、自然な肌の質感を表現させています。
〇 刷毛で塗る事で、切り出した部分のたまりをとりのぞく事ができます。

3.髪の毛

〇 絹糸を使う事により、落ち着いた品のある髪質(テカリを抑える)を表現しています。
〇 絹糸で表現できる髪質は、仕上げてきた顔に落ち着きがでます。


日本の職人さんの技と心で作り上げた純日本製の逸品です。

芸術性豊かなこのお雛様を末永くご愛好ください。

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