一筆一筆きめ細かく、片目だけでも 50回くらい筆を入れています。 また、墨の濃淡を駆使し、瞳を描きます。 (極細の線で何回も筆を引き、目の中の瞳を描きだし目元全体のバランスを表現します) 濃淡を使った表現により、 近くで みると、筆仕事の繊細さがきれいにみえ 目線を離さず、遠くに離れると瞳が現れる (浮き上がってくる) また 見方によって表情が変わって見えるという能面技法がはいっており 人形を下から見上げて みると微笑んだ優しい表情に見え、上から見下ろしてみると 目が切れ長に見え凛々しい表情にみえます。
上唇は富士山の裾のように なだらかに左右均等に流し、下唇は二重に口地を描き 味わいを出します。また ニ重に描くことで 奥行きと締まりを表現します(遠近法) (口元の気品と動きを表現し、また口元の優しさを独特の筆仕事で描きます)
白雲土を約800度くらいで熱し、強度を上げて石の硬さぐらいまでにします(手・足も同様) また、何度も紙やすりなどで綺麗に仕上げ、頭と手は数回胡粉を塗って仕上げます